「卒論の続き」

一生青春。 架空的計画(visionary scheme)の目標は世界の法則(The Law of the World)を見つけること。

MECE(MECEの作り方)

 資料作成を行う場合、全体像を提示してから部分について取り上げていくことが一般的である。自分が資料作成を行う際には、通常まずテキストでアウトライン(目次や全体像)を作り、それをパワーポイント(PPT)等のツールで各チャートのタイトルに分解し作成を進める。

アウトラインを作成する際、目次作成や考え方を整理するときに、MECEという概念をできる限り満たすように整理していくことが優れたビジネス文書作成のコツである。

 

MECEで全体の構造を作る

MECEとは全体を部分に分ける場合は、全体を構成する部分を重複もなく、すべての部分を網羅して整理をする概念である。

  • 個々に見て「ダブリ」がなく(Mutually Exclusive)
  • 全体的に見て「モレ」がない(Collectively Exhaustive)

 

組織の活動を区分する場合には、基本的に3つの方法がある。

  • 「活動」時間の順序で整理する(例:R&D−営業−製造−納品−サポート)
  • 「場所」現実の地理を反映してその構造の順序に従う(例:北部−中部−南部)
  • 「対象」活動の対象で区分する特定の商品、市場、(例:売上高、資産規模、従業員規模のランキング等)

 

組織以外のモノを区分するときは、機能(構造)やプロセス(時間軸)で分解するのが一般的。

  • 「構造」構成要素で分解する(例:マーケティングの4P − Product Price Place Promotion)
  • 「プロセス」活動の時間軸で分解する(例:計画 − 実行 − 評価 − 改善)

 

MECEの作り方

自分がMECE感のある整理を行うときは主に3つのアプローチのどれかを利用している。

 

「それ(Is)」と「それ以外(Is Not)」に分ける

どんな場合にも必ずMECEを作る方法がある。それは「それ(Is)」と「それ以外(Is Not)」に分ける方法だ。スマートな例ではないかもしれないが、例えば「重要なポイント3つ「と「それ以外のポイント」とすることでヌケモレはない。かなり雑に聞こえるかもしれないが、この方法は実践的で、特に時間がないときにこの方法をよく使っている。

 仕事の現場では、きっちり計画を組み立ててから進められることは少ない。特に最近 (2013年現在)はアジャイル開発、リーンスタートアップやDevOps等、走りながら何かを作り上げる方法論がトレンドである。WBS等を手早く作りたいとき、インタビューリスト(診断フレーム)を作って現状把握をしたいとき、この方法は特に有効である。

 まず大きな論点をプロセスや機能分解し、構造化する。その段階では「その他・それ以外」として項目をおいておくのである。初期に整理した上位項目に分類できない個別の要素が出てきた場合は、即座に「その他・それ以外」に配置をし、Issueのモレを防ぐ。

 

組織設計の例1:

 営業部門

 開発部門

 管理部門

 それ以外の部門(例:社長室等)

 

抽象度を上げ下げしグループ内のMECE感を担保する

初期段階で「その他・それ以外」で配置して、「その他・それ以外」に配置した要素が増えてグループ化できた段階であらたにグルーピングして整理しなおすことはよくやる方法だが、なれてくると抽象度レベルを上げ下げすることによって、事前にMECE感のある構造、論点設計を行うことができる。横並び抽象度で構造上のモレがないかをチェックしてみるやり方。先の例で考えれば、

 

組織設計の例2:

 営業部門

 開発部門

 管理部門

 直轄部門

  └ 社長室

  └ コンサルティングチーム

  └ ???(上記の並びに配置す部署 例:新規事業開発チーム)

 

プロセスで整理する

この方法は時間や段取りを整理できるときに有効な方法だ。全体の工程をわかりやすくOIPのつながりで整理していくとよい。最終アウトプットを定義し、構成要素に分解、これをどのような順序で整理して最終アウトプットに整理していくのかを整理する方法である。立ち上げ−計画−実行−管理−完了といったプロジェクトマネジメントのプロセス等がこの整理方法にあたる。また過去・現在・未来、短期・中期・長期とステップで分解して整理する方法も有効だ。ビジネスシステム分析やバリューチェーンで整理する方法もこのプロセスで整理する方法もバリエーションである。

 

最初から「フレームワーク」で整理してしまう

 最初からMECE感のある論点設計をする際の王道は、フレームワークで大論点をおさえることだろう。よくあるMECEフレームには、事業や企業の分析に使う3C/4C(Customer、Competitor、Company、Channel)やマーケティングの4P(Product、Price、Place、Promotion)等が有名だ。これについては今後このブログの中でも主要なモノは整理していきたい。手っ取り早くは書店のマネジメントの書棚でHowto本を見てみるとこの手のものはいろいろな方が整理しているので参照されたい。

 

【参考】(超自分的)MECEの作り方

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次回はこの概念を使って、実際の資料作りをする方法を整理したい。