「卒論の続き」

一生青春。 架空的計画(visionary scheme)の目標は世界の法則(The Law of the World)を見つけること。

「よい謝罪」とは、"How does it feel ?" 

 今日はクリスマス。

一日、山積みの雑多な書籍と格闘して三連休が終わりました。

さてクリスマスということで今年1年私もしっかり「悔い改めて」今年最後のお仕事と新しい年に向かいたい。

 

そんなわけで山積みの本から厳選してご紹介したいのは「よい謝罪」。

まずしっかり謝ること。悔い改めたところから世界は変わる。

 

謝罪とは何か?

”あらゆる被害者は救われなければならない。物理的な損害が発生している場合は、なんらかの賠償がなされるべきだ。しかし、それ以上に不可欠なのは、精神的・感情的な解決である。被害者は不安を、悲しみを、憎しみを感じている。マイナスに触れた被害者の「心の動き」に対し、加害者は正義を持って対応し、少しでもプラスの方向に戻す努力をしなければならない。それが謝罪である。”

 

”被害者が「イカリ(怒り)」を逆さまの「リカイ(理解)」に変換してくる時が訪れる。それをもってようやく謝罪が成功したと言えるのだ。”

 

 

 この「謝罪」の定義は、上記の「よい謝罪」という書籍からの引用。

本書の中で、謝罪においては、物理的な被害以上に大切なのが、被害者の気持ちのリカバリという。このなかで「イカリ」を「リカイ」に変えるというのは、謝罪に限らずあらゆるコミュニケーションの場面で使えそうな金言だ。

 

謝罪にも必要なゴール設定

”被害者に理解をいただき、怒りを収めてもらうには被害者の抱える「心の問題」と「物理的な損害」の両方を解決することが必要だ。”

 

”謝罪を成功させるためには心の問題と物理的な損害がともに解決したゴールを具体的にイメージすることが早道。その際もし自分が被害者から加害者がどう謝罪すれば相手を許せるかということを常に念頭において考えると自分ごとに引き寄せやすくなる。”

 

お許しを得るには、相手と同じ立場に一旦立って、徹底的に加害者が批判的に自分自身の言動を洗い直す必要がある。被害者の気持ちを「ジブンゴト」としてとらえるのに「もし、私があなただったら(If I were you)…」という視点を持つとよいと教わったことがある。

visionaryscheme.hatenablog.com

 

自分が被害者と同じ状況だったら、どこまでどんな謝罪をされれば、加害者を許していいと思えるかという点を徹底的に考えるのに「もし、私があなただったら(If I were you)…」というツールは有効のように思う。

 

加えて、最近ノーベル賞受賞もありマイブームのBob Dylanの「Like a Rolling Stone」からさらに意識変革を促すフレーズを1つ加えてみたい。

 

If I were you?(もし君が私だったら), How does it feel?(どんな気持ちだい?)

 

これは相手の立場でものを考えるコミュニケーションに使えること間違いなし(自画自賛w)。それぐらい最近はまっているFIT感のあることば。

 

How does it feel?(どんな気持ちだい?)

 


Bob Dylan and The Band - Like A Rolling Stone (rare live footage)

 

謝罪を成功に導く6つのステップ

よい謝罪は、以下の6つのステップで構成される。

 

  1. 命や身体にかかわることがないかを確認
  2. 経緯・自体を時系列で整理して完全に把握
  3. 「謝罪シナリオ」を書く
  4. 原因を究明し、再発防止策をまとめる
  5. 直接の被害者に直接謝罪に行く
  6. 必要であれば対外的に発表する

 

簡単に1つ1つのステップを見ていこう。

 1.  命や身体にかかわることがないかを確認

”何らかの有事が起きたと一方が入ったら、最初にすべき事はそれが「命や身体にかかわることかどうか」を確認し、必要なら即時にその対処をすることだ。”

状況を確認して放置すれば致命的になる状況や、被害を拡大させるような要因についてまず対処する。

 

2.   経緯・自体を時系列で整理して完全に把握

”まずは「何が起きたのか」という事態、「なぜこういう事態になったのか」という経緯を100%把握せねばならない。”

ここで登場するのが6W1Hというフレームワーク。6W1Hを活用して情報を漏れなく集める。集めた情報を時系列で並べてみることによって事態の全貌が浮かび上がってくる。

※6W1H

Who(誰が)、Whom(誰に)、What(何を)、Why(なぜ)、When(いつ)、Where(どこで)、How(どうやって

 

3.  謝罪シナリオを書く

”謝罪シナリオを書いていく際は、物語の進む方向の全てを予測して書き出さねばならない。消して都合のいいポジティブのことばかり考えてはならない。常に最悪を念頭に置き、予測図、想定津を思いつく限り描き並べていくのである。天気図ではないが、今までの雲の流れだと今後の天気がどう出るかそれとも幸いにして晴れるのかといった可能性を探っていくのである。この時も6 W1 Hを使って、漏れがないようにしよう。”

 

コンサルのフレームワークで有名な「空・雨・傘」がここでは使えそうだ。

 

 空:空が曇っている(事実)

  • ユーザークレームが起きた。時系列的には〜

 雨:雨が降りそうだ(解釈)

  • クレームの発生原因は〜だと考えている。

 傘:傘をもっていく(行動)

  • 再発防止のため〜というアクションを取る

 

4.  原因を究明し、再発防止策をまとめる

”謝罪シナリオの完成後、被害者へ直接謝罪に行く前に、もう一つやっておかなければならないステップがある。それは、原因を徹底的に究明し、再発防止を求めることである。”

 

原因究明では、加害者の保身を抑えしっかり自己批判してもらうとともに、上司や友人等周囲の意見も取り入れ、謝罪すべき点、改善点を特定する。そして、有事が起こった原因を解明し、再発防止のためのアクションプラン(計画、ルール化、研修プランなど)を準備する。

 

5.  直接の被害者に直接謝罪に行く

”さてさてようやく現実の謝罪である。加害者が被害者に直接対面するこの機会に必ず行わなければならないのは、加害者から被害者へ謝罪の弁を述べること、被害者の言葉を聞くこと、再発防止策を被害者に伝えること、の3点である。”

 

被害者の言葉を真摯に受け止め、被害者の怒りや悲しみといった感情を、面と向かって丸ごと受け止める。

 

ここでもあえて言おう

How does it feel?(どんな気持ちだい?)」(くどい)

 

6.  必要であれば対外的に発表する

”被害者への直接の謝罪を行い、受け入れてもらうことができたら、最後に、起きた事態を対外的に発表したり、記者会見行ったりする必要があるかどうかを考える。有事に際してプレスリリースや記者会見など対外的な発信が必要になるのは、犯した自体が公共性を持ち、社会的にも問題が話題になっている場合である。”

 

最後は大手の不祥事でよく見られるケース。世間が絡んだ場合の対策。

 

 

謝罪対応における注意事項

謝罪対応には3つの注意事項がある。肝に銘じておきたい。

 

ステップの順番を守る

謝る相手や内容を正しく見極めるためにしっかりステップに沿った準備をして謝罪にのぞむこと

 

作業は複数人で実施する

正確を期すために、そしてスピードアップするためにも必ず複数人で対処にあたること

 

スピード感をもって対応する

そもそも組み立てた段取りが横槍などで崩れぬようスピード感をもって対処すること

 

最後に「良い謝罪」について

 

 

20年来の友人を通じて今年お引き合わせいただいた竹中師匠執筆の「よい謝罪」。

日経BP社から出版されている本で店頭に平積みになっている書店もある。

竹中師匠はお笑いの吉本興業でよしもとNSCの開校や宣伝広報室等の業務に携わられてきた方。ざっとネットで調べてみると、大物芸人のお騒がせの後ろに竹中師匠の影が必ずあるくらい。

 

”この本では、吉本興業入社以来、30年以上謝罪し続けてきた私がついにたどりついた、「謝罪する回数をでき得る限り減らし、たとえ謝罪しなくてはならない事態が起きても、事を荒立てずに収める食べる方法を、皆さんに伝授する。端的に言えばそれは、定時に緊急事態を想定し、対処する手順をあらかじめシナリオとして書いておくのだ。そうしておけばいた緊急事態が起きたとしても、慌ててパニックを起こして世界に失敗してしまい、さらに相手を怒らせてしまう状況にはならない。”

 

そんなたくさんのリアルな現場の対応エッセンスを凝縮したのがこの「よい謝罪」。

ブログの内容は私が自分の学習として整理したものなので書籍の宣伝ではありません。

 

・・・が、是非買ってください!

一冊あればあなたも明日からコンプラ番長!!

 

おまけ

最後にせっかくクリスマスですから、ネタです(もう4年も経つんですね)。

 

 

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悔い改めたい!

 

それではみなさま、メリークリスマス。

2016年12月25日