「卒論の続き」

一生青春。 架空的計画(visionary scheme)の目標は世界の法則(The Law of the World)を見つけること。

Inputの技術 速読:フォトリーディング その1

 今日は、フォトリーディングについてまとめてみる。1エントリとしては長過ぎるため、2回に分けて書きたい。

 

フォトリーディングとの出会い

 フォトリーディングにはじめて出会ったのは2001年。ITコンサルティング会社に転職してしばらくした頃だったと思う。当時、次から次へと覚えなければならない新しい知識、しかもIT技術とビジネス全般の知識の両面を顧客の求めるスピードでInputとOutputを繰り返していく仕事の中で、Inputの量を加速度的に増やす必要に迫られていた。そのときに出会ったのが、神田 昌典さんの初期の翻訳であった「あなたもいままでの10倍速く本が読める」というポール・R・シーリィさんの著作だった。

 今振り返ってもこのタイミングでこの本が登場してきたのは、絶妙なタイミングだったと思う。何より大きかったのは、知識を大量に、速くInputすることに不安がなくなったからだ。外資系の有名なコンサルティング会社では、週末に1mの高さに積上った数十冊の本をInputし、週明けに50枚程度の市場レポートを提出することが日常茶飯事に行われていると聞いたか、読んだかした。普通に読んだらまず1mの高さは読めないがこの本に書いてある方法を使えばそれは十分に可能になる。

 一部のコンサル会社でお仕事をされている方、大学院に進んだ方は、このような知識のInput方法を習う機会もあるようだが、フォトリーディング的な本の読み方を知っているか、知らないかで時間を追うごとに大きな差が生まれるはずだ。もちろんこのやり方がすべてではないが、基本的なテクニックとして身につけておいて損はない。

 

本を読むということ、目的意識

 最高の読書とは、能動的で、目的意識を持ち、探究心に溢れ、集中していることだとこの本には書かれている。本から何かを得る、特にビジネス書からのHow toのインプットはすべての情報をInputする必要はない。そのときそのときに必要とされる目的に応じて、自分なりの読み方で読めばいい。極端言えば、前後の文脈をミスリードしなければ、必要個所のみ読み進め、知識とすればいい。

 フォトリーディングのコンセプトの一つは文書を脳に写しとり、速読すること、そしてそれはできないというような話もよく見られるが、その本質は、文書から必要な情報を必要なだけ引き出すということだと自分は考えている。

 

従来の読み方との違い

従来の読み方とフォトリーディングとの違いは

 

  • 従来の読み方:文書の最初から終わりへ、一字一句、一行づつ読んでいく
  • 新しい読み方:読書の目的を達成するために、本から必要な情報を引き出す

 

 よくある話で、国語の入試問題をその問題の作者に解かせても回答を間違えるといった話がある。これと似たような話で、著書が伝えたかった内容を著者と全く同じように、同じレベルで理解することはそれこそ不可能だと思う。本のすべてを頭に入れようとすること自体が不可能だし、その必要もない。目的に応じて、自分が必要とする情報を本から引き出すことが大事だ。

 さらに大事なのは自分が知りたい、使いたいと考える情報を、自分なりに噛み砕き、自分の考えとして再構築し直すことだと考える(あくまでハウツーの場合です)。これは「自分の論理体系を作ることが、スキルを大きく伸長させる」とコンサル時代の上司に教えられたことにも起因している。

 

新しいやり方を受け入れてみる

本文の中では、次のような問いもある。

 

  • 読んだものをどのぐらい理解しているか?
  • 読んだものをどれくらい覚えているか?
  • 読み手としてのあなたの優れた点は何か?
  • 自分の読み手として一番変えたいと思っていることは何か?

 

 必要なのは読書に対する新しい見方を持つこと。読むものの種類、読書の必要性に合わせて、読むスピードを調整する。著者は「新しいパラダイムを受け入れるには納得してから信じるのではなく、まず信じて受け入れてみること」としている。「無意識レベルで文字情報を処理することは可能であるという事実を受け入れる。」ともしている。

 この辺りは、もはや信じられるかどうかの世界になってくるが、自分は著者の意見に賛同できるし、フォトリーディングに限らず「まず信じて受け入れてみる」ことで自分の中の可能性は大きく変わると考えている。

 

まぁ前向きにやってみる

 フォトリーディングをマスターするために、あなたが手放すべきものは、自分にはできないという「ネガティブな思い込みを捨てること」。それには以下のリストの内容を手放す必要がある。

 

  • 自分は学習能力が低い、という自己評価
  • 何でも先送りにする習慣や、「どうせ自分には無理だ」という思い込み
  • 失敗から学ぶよりも、失敗自体にこだわる完璧主義的な考え方
  • 無意識の力や直感への不信感
  • すぐに正しい答えを求める姿勢
  • 結果に一喜一憂する態度
  • いつも何かに急き立てられている状態

 

 まずはフォトリーディングに対して前向きなマインドを醸成すること。上記のリストの反対のポジティブな気持ちをもってスキルを身につけたい。次回は少し長くなるが、フォトリーディングのポイントのまとめてみたい。