「卒論の続き」

一生青春。 架空的計画(visionary scheme)の目標は世界の法則(The Law of the World)を見つけること。

目指すべきもの:Missionを定義し、Visionを創り、それに基づく運営をする。

「考え方がなぜ大事か」第3回。

 

 今回は事業のミッションやビジョンといった若干青臭いテーマについて書いてみたい。自分的にはこういう抽象度の高い理念を持って仕事をやることこそが、「はたらく」ことの本質的な意味だと考えている。ただ生きるための日銭を稼ぐために1日の3分の1以上の時間を投下するには人生は短すぎる。

 

Mission、Visionの重要性

 企業は事業には、行動原理やDNAがあるだけでは不足である。行動原理、DNAというのはそこで活動するための基本原則やルール的なものであり、自分たちの社会に対する存在意義(Mission)、そして向かうべき方向性を示す理念やビジョン(Vision)が必要だ。

 

 とはいえ、ビジョンやミッションといった抽象的な概念にこだわることは意見が割れるところかもしれない。これについて、自分なりの見解を示したい。

 

 企業の存在理由は、あくまでも利益の追求であり、慈善事業をやっているのではないと。それはそれで理解できるが、果たしてその利益が達成された先には何が残るのか。事業スタートして当座は、明日の主義主張より、明日のパンが大事ということになるかもしれない。しかし、その先の夢があるから、苦しい環境にも耐えられるのではないか。

 

 事業の成長目標は通例、PLの金額ベースで示されることが多いが、それがすべてではない。社会価値を生み出す、社会をよりよい状態にするために自分たちが何ができるのか、だれの役に立つのか。そのあり姿、状態として目標にするのはどんな状態なのか。

 

上位概念を大切にする効果

 これまで多くの企業経営者、管理者にお会いしたが、このことを理解して事業を運営をされている方とそうでない方はわかりやすく事業展開の結果に比例していた。事業を大きく成長させることができる人には共通して、社会や、市場、顧客、自社の社員やビジネスパートナーに対して発信できる明確な事業の大義や存在意義がある。

 

 短期的には目先の収益優先でハンドルしたとしても、それが目的化してくると、もはや人も、顧客もついてこなくなる。アーリーステージから規模拡大へと舵を切っていくベンチャーにおいてよく見られる光景である。最初は会社を大きくして、新しい価値を生み出すことに邁進していたアントレプレナーも、資本家への説明責任、自分のポジションや収入の維持向上、企業の中で既得権益化していく発言権や執行権限ゆえの居心地の良さ等、自分の立ち位置や権益について執着すべき要素が多くなればなるほど、正しいジャッジができなくなってくる。

 

 こうした企業内部や外部の環境要因や変化に対処しながらも、事業スタートした大義を失わず、独自の考え方を貫いて経営をされている方の事業は、結果的にスケールアップする。

 

 なぜなら市場やお客様に対しての存在意義や、提供価値が明確なので自然と多くのお客様、すなわちファンを増やすことにつながっているからだ。目先の目標予算ももちろん事業の伸長には大事なことだが、それに終始するようでは、中長期的な経営はおぼつかない。人が生きるということには、金も必要だが、それ以上に夢や期待も必要だ。

 

 このような思考、行動のアプローチも「考え方が大事」という部分につながっている。本当に大切なことを見極め、こだわり、自分の人生を生き抜きたい。