それは必要だからそこにある。流されず向き合って考える。
「考え方がなぜ大事か」第4回。
前回は「大義」がなぜ大事かについて持論をぶちまけた。では具体的にどうすればいいのか。それについて若干雑な感じではあるが骨太なところを書いてみたい。
まずリーダーがたたき台の方向性を示し、たたき台を元にチームで共に目的、目標を練り上げる。
x年後の状態目標を共にイメージし、それを常に、何かあるたび(会社イベント等)に確認し、実現に向けて取組み続ける。練り上げたゴールイメージを共に語りあい、メンバーひとりひとりのモノにする。
コンフリクトを恐れずお互いの意見を、お客様、パートナー、社員を問わず、相手のためにと考えて言い合える柔らかいが、真摯な組織風土を作る。
「対案なきは賛成とみなす」
これはIBMの有名なセッションルールのひとつでもある。会議で意見のない参加者はいらない。
誰かの意見に対しては、自分の中でのYes、Noを常にはっきりと持つ。その意見がいいと考えるならなぜそれがいいと思うのか、ダメならその意見のどこがダメで、これが重要だが、どう改善すべきなのか。その場に座って状況を見守るだけの参加者は不要だ。問われなくても、問われたときに自分の意見を発言できること、決議の時に、自分と意見が異なって受け入れ難ければ、納得できるまで確認すること。
もちろん言いたいことを言うのではなく、言うべきことを互いが語る場づくりが重要だ。
時間は有限であり、会議が1時間なら1時間の中で決議しなければならないこともたくさんある。議論すべきことに時間を使い、瞬時に判断できるものは、すぐに決断して前に進める。会議等ではその場の議長なり、ファシリテーターなりがコントロールできるよう、組織のリーダーが一段上から俯瞰的に見て、使うべきところに時間を使えるよう、場の進行を制御することが大事だ。
対峙する相手を、お互いをプロとしてレスペクトし、共に高めあう。互いに感謝し、賞賛し続ける。正しく頑張ることを共に応援する。相手が今のレベルで乗り越えられないことは、積極的サポートする。新人や後輩の経験のないことは、先にいるものができるようになるように導く。
ただ言葉で説明するのではなく、ともにチームで仕事をする中でお互いを磨き続ける。先輩は後輩に磨かれ、リーダーは部下にもまれる。もまれること、向き合うことによって人は大きく成長する。
チームがビルドできたら、目の前の事象を常に肯定し、前向きに、能動的に、全力で取り組む。
目の前の事象に良い悪いはない。
事象に対する意味づけは常に自分自身で行っているし、誰かが意味づけることはあり得ない。自分の感情と思考、イメージを常に監視し、ネガティブに流されることなくポジティブに流されよ。習慣を自ら作り出すことの力を利用せよ。
嫌悪感が生まれたら、それはなぜか、自分の中にその気持ちが生まれる原因を見つめる。
目の前の事象と向き合うことにつらさを感じているからなのか。過去長い間、自分が大切にして生きた価値観に対してそこに留まる事のここちよさゆえの防御ではないか。乗り越えるべき壁の高さを、必要以上に自分自身の見方で必要以上に高くしていないか。変化に対しての恐れから言い訳をしているのではないか。
自分の価値観をさらにはっきりと、尖らせていくための課題なのか。その事象を反面教師として、自分が襟を正すためのプラクティスなのか。
いずれにしても、それは必要だからそこにある。流されず向き合って考える。