「卒論の続き」

一生青春。 架空的計画(visionary scheme)の目標は世界の法則(The Law of the World)を見つけること。

「感情×IT」の世界へ

卒業、そして新境地へ

 更新を中断していた間、10年以上勤務した総合人材サービス会社を「卒業」した。在職中長期にわたり直属の上司であった所属会社の社長にもこのタイミングで新たなチャレンジをしたいとお願いし、きわめて前向きに卒業した。

 前職では社会人前半での経験(新規事業立上げとITコンサルの経験)を元に、ビジネスパーソンとしてたくさんの経験をさせていただいた。組織・業務BPRをはじめとしたコンサルティングサービスの立上げを5年強、リーマンショックからの事業企画部門の運営と事業推進を4年強、最後はサービスインテグレーションをミッションとした新規事業の立上げを1年。お客様のフロントエンドからバックオフィス、そして新規事業の立上げまで、また1プレーヤーから50人を超えるマネジメントまで、自分が就職活動のときにやりたい、やろう、やるべしと考えていたほぼすべての仕事メニューをやった感が持てた。そういう意味では、財産とか、地位では計れない、やりたいと思っていた「活動」をやりきった確信は持てている。それが卒業のシグナルであった。

 

 とはいえ、人としての道は生きているかぎり続くもの。はたらく上でも明確なテーマが必要だ。これ以降は、より本質的な「人」と「世界」の関係に着眼したテーマを掘り下げ、さらなる人生の高みにチャレンジしたいと考えている。

 

次の仕事のミッションは「感情× IT」

 iPhone6の発売で熱い中、本日(2014年9月20日)ソフトバンク社からPepperというロボットのイベントが開催される。このPepper君の売りの一つが「感情」を理解する機能があるというもの。「感情」はビジネスの局面ではメンタルヘルスの観点やサービス業での「感情労働」というワードで語られることの多かったテーマであるが、今後はビジネスの場面での積極的な感情解析、言い換えれば「気持ちの測る化」について語られるシーンも増えてきそうだ。

 

 感情測定や解析の技術は、ここ2−3年、MITや先進的な企業で技術革新が進んできた。2009年に発表されたオムロン社のスマイルスキャンという製品は、その年のTIME紙のワースト発明に選ばれたが、同時期にMIT等で表情解析の技術研究に注力し始めているのは興味深い。

 

 感情表現は、表情、音声、バイタルサイン等で検出されるデータを元に解析されるが、今後はよりトラッキングの精度が高くなってくる。これまでは精度(それはどの程度正しいデータなのか)が問題視されていたが、精度の問題がクリアするにつれ、利用方法(教育、介護、接客、etc.での具体的な使われ方)について議論が高まっていくと考えている。

 

ビジネスのあり方は変わってきた

 本当の意味で、もう従来の物質レベル必需品は先進国では満たされた感がある。これまでの「モノ」起点のビジネスを強みとして商売をしていた業態が、「コト(サービス)」に参入し、これまでと違う強みを磨くという事象も見られるようになってきた。

 

 また、今までのやり方にしばられない方法で、思考を柔軟にした結果、既存ビジネスのスコトーマ(盲点)を見事に指摘し、ビジネスモデルを根底から覆すような業態の例も出始めている。

 

 こうした動きの中で共通して見えつつあるものは、前提なき自由な発想や判断ができる人が、次の時代の事業やサービスを生み出すということ。当たり前のことと思われるかもしれないが、そういう発想ができる人は、重要な局面においてはきわめて冷静に、感情に振り回されることなく思考と判断ができている方々だと考える。もともとの性格もあるのかもしれないが、経営者の多くの方々は訓練によってこれを成し遂げているのだろう。

 

 禅のごとく「イマココ」に集中した生き方をもっともっと極めたい。