「卒論の続き」

一生青春。 架空的計画(visionary scheme)の目標は世界の法則(The Law of the World)を見つけること。

フレームワークで考える

前回はMECEな軸を利用した資料作成の技術について書いてみた。話は前後してしまったが、今回はフレームワークそのものについて考察してみたい。

 

フレームワークとは?

 フレームワークとは経営戦略や業務改善、問題解決などに役立つ分析ツールや思考の枠組みのこと。ロジカルシンキングや発想法などを体系的にまとめたもの。代表的なモノは経営環境分析を行う3Cや5F、マーケティングの4Pといった切り口。

 自分はフレームワークは有名な大学の教授とか、研究者とか、業界団体とかコンサルタントとかが膨大な時間をかけて考案し、また長い時間いろいろな仕事の現場で利用され、洗練させてきた鉄板だと考えている。実際に3Cは経営コンサルタント大前研一氏の考案だし、5Fはマイケル・E・ポーター教授が考案したフレームワークだ(ちなみに4Pはコトラーさんではなくマッカーシーさんが考案した)。企業の中期経営計画の資料等にはこれらの考え方が反映されていることが多い。

 

フレームワーク(思考)の重要性

 フレームワークとは仕事をうまく、はやく進めるためのパターンみたいなモノだ。同じようなフレームワークを考えようとしたらそれこそ一生かかるような内容もたくさんありそうだ。フレームワーク思考を身につけることは世界中の優秀な人たちが考えた思考パターンをまねる、学ぶことに他ならない。

 汎用的かつ成果創出に有効な考え方を学習することで、仕事や日常の場面で思考的にも、時間的にも大きなショートカットを手に入れることができる。経験の長い人、少ない人では仕事のやり方に差がでるように、フレームワークを知る知らないでも同じように差がでる。

 もちろん盲目的に、念仏のように唱えればよいかというとそうではないが、「知っている、使っている人」と「知らない、使っていない人」が同じ仕事をするのであれば、前者の方が圧倒的に精度高くかつスピードを早く結果を返すに違いない。こんなに力説したくなるのは、それだけフレームワークを使った思考方法が効率的かつ効果的だと考えているからだ。自分の頭で考えることはとても大事なことだが、プラスして世界の優秀な人たちが考えた思考ツールを使いこなせれば、世の中の役に立つことをたくさん、早く価値創出できるようになる。

 

フレームワークの例

 フレームワークには、基本的にフロー(流れ)から考えるもの、スナップショット(構造)から考えるものがある。流れと構造がセットで整理されているフレームワークも多い。3〜4つぐらいの大項目で整理されているものが多いが、細かいプロシージャまで定義しているフレームワークもある。

 フレームワークの詳細や使い方については、たくさんの方々が説明しているので興味のある方はWebや書籍等で参照してほしい。という訳でここでは用途別にスタンダードなものを少しだけ挙げておく。

 

経営戦略のフレームワーク

 フレームワークといえば、この戦略立案に関するフレームワークが多い。それだけに、以下にあげたものは、覚えておきたい。下記にあげたぐらいの内容が頭に入っていれば、ビジネス会話上でも多少アドバンテージがあると思う。

 

経営戦略のフレームワーク

3C

Customer(顧客)/Competitor(競合)/Company(自社)

5F(5Forces)

既存競合者同士の敵対関係、新規参入の脅威、代替製品・代替サービスの脅威、買い手の交渉力、供給者の支配

SWOT

Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opotunity(機会)、Threat(脅威)

バリューチェーン

主活動:購買、製造、物流、マーケティング・販売、サービス

支援活動:企業インフラ、人材資源管理、技術開発、調達

BSC(バランススコアカード)

財務の視点、顧客の視点、業務プロセスの視点、学習と成長の視点

 

 

その他(おまけ):PMS、PPM、TPM、PIP、SFM、OVA

 

マーケティング関連のフレームワーク

 マーケティングのフレームワークは時代によってかわっていく内容が多いと感じる。昨今のWebマーケティングやデジタルマーケティングといったWebチャネル、EC等での販売促進手法の台頭によって、人々の購買行動が大きく変化してきているからだ。

 それゆえ、フレームワークの有効性についてはよく考えて利用する必要がある。

 

マーケティング関連のフレームワーク

4P

Product(製品)/Place(流通チャネル)/Price(価格)/Promotion(販売促進))

RFM

recency(最新購買日)、frequency(累計購買回数)、monetary(累計購買金額)

 AIDMA

Attention(注意)、Interest(関心)、Desire(欲求)、Memory(記憶)、Action(行動)

 

 その他:ネット系の「AISAS」「AIDAS」、「AMTUL」、「AISCEAS」、「AIDEES」はこちらのサイトにわかりやすい説明があった。

 

IT関連のフレームワーク

 ITでフレームワークと調べるとプログラミングとかの話が出てきてしまう。ITを考える上で有効なビジネスフレームワークもある。細かいのでここでは名称だけ取り上げておく。

IT関連のフレームワーク

CMMI(成熟度モデル)、COBIT(ITガバナンス)、SLCP (ソフトウェアライフサイクルプロセス)、ITSS(ITスキルスタンダード)、ITIL(ITインフラストラクチャライブラリ)

クラウド実現フレームワーク(改善型、革新型、破壊的創造型)なんていうのもあったw

  

その他(業務プロセス等)のフレームワーク

その他業務改善等でよく使うものを中心に概念だけあげておく。内容はそれぞれのキーワードでググってもらえればよいと思う。

 

その他のフレームワーク

PMBOK(5つのプロセスと9つのマネジメントエリア)、OIP6W3HPDCA、ECRS、問題発見の4P、効率/効果、質/量、事実/判断、Gap(問題)=To Be(あるべき・ありたい)−As Is(現状)、ポリシー・ルール・プロシージャ等

 

 

 以上、メジャーなもの、若干マイナーなものをランダムに取り上げてみたがは、今後マイナーで役立ちそうなものを中心にこのブログの中でも順次取り上げていきたい。次回はフレームワークの集め方について取り上げたい。