「卒論の続き」

一生青春。 架空的計画(visionary scheme)の目標は世界の法則(The Law of the World)を見つけること。

フレームワークを使いこなす

 前回はフレームワークの重要性と基本的な使い方について取り上げた。今回はフレームワークを使いこなす前提として、フレームワークの使いこなし方について書いてみたい。

 

フレームワークの集め方

 2013年現在の世の中は、たくさんの情報であふれかえっている。特にインターネットが普及し始めてからの20年弱の知の拡散は凄まじい。自分がコンサルタントになったのは2001年であったが、当時はまだまだ情報もディレクトリ型で、Googleの普及前夜でもあったため、こういったフレームワークの仕入れは、もっぱら書籍に頼っていた。

 しかし現在、多くの官公庁、企業、業界標準団体等々による情報提供やBlog等個人が発信する情報インフラの普及により、手軽に時間をかけず目的の情報を収集することが可能になっている。

 

代表的な情報収集ソース

  • 官公庁、業界団体、大手企業の情報提供ページ
  • コンテンツマーケティングを目的とした企業の情報提供ページ
  • ニュースサイトやブログサイトのまとめページ
  • 個人ブログ 等 

 

 ・・・と挙げてはみたが、例えば「経営戦略 フレームワーク」「マーケティング フレームワーク」「ビジネス フレームワーク」等の複合キーでググってみた方が早い。たくさんのサイトが検索される。またiphoneアプリにもフレームワーク集があったりする。一つの概念を何人もの人が違った視点で解説しているので、いくつか自分にフィットするものを自分なりに整理し、ストックして使えるようにするとよいだろう。

 

フレームワークによる解決策はユニークであること

 ビジネスマンの競争の源泉は、仕事に必要な情報そのものを知っているだけではなく、日々アップデートされる大量の情報をいかに安楽早正(安く、楽に、早く、正しく)集め、成果として活用できるかにシフトしている。ビジネス書もたくさんあるが、最近のコンテンツマーケティングの普及で、手っ取り早く必要な情報を、手頃なサイズで検索することができるようになってきた。またキュレーターやまとめサイトの台頭もよい例だろう。

 こんな状況なのでフレームワークを入手することは、極めて容易になっている。しかし、容易になっているということは、フレームワークを知っているだけではほとんど差がつかないということでもある。よくビジネス研修等で講師から指摘のある事項として、「フレームワークや模範解答をそのまま実例に当てはめるな」という話がある。単にフレームワークはあくまでも考え方や視点を網羅するためのツールであって、中身そのものは常にそれを適用する組織なり、業務なりにユニークに考える必要があるからだ。ある企業に有効だったケースが同じように自社に適用できるとは限らない。

 そういうわけで、いつも「自分の頭を使って考える」という基本は念頭に起いておきたい。持論で恐縮だが、中身を考えるとき「「MECE」な軸を利用した資料作成のコツ」で取り上げた、マトリクス型にフレーミングして中身を考えるというやり方でアプローチするとアイデアにオリジナリティを出しやすい。「フレームワーク X フレームワーク」に有効な組み合わせが考えられれば、中身を考えていく際、大きくショートカットできる。

 

フレームワークを使いこなす

 フレームワークは、自分が取り組もうとしていることに何らかの先人が考えたアイデア=フレームワークがあるということを知らなければ使えない。そういう意味でフレームワークを使いこなしていくための一つの方法論として、何か新しい仕事に着手するときには必ず該当するフレームワークがないか、まず探してみることがオススメする。また経験のありそうな先輩、上司に聞いてきることも有効だ。

 スキルの作り方、磨き方みたいな話になってしまうが、仕事をするときに常にアプローチ方法を検討・工夫してみることに少し時間を使うだけで、効率的、効果的な仕事の進め方をすることができる。特に仕事の初期段階でこれをやっておくと大きな視点もモレを防げるし、なぜこう考えたのかお客様や上司に質問されたときにもある程度自身を持って回答することができる。ただ先にも述べたように、フレームワークは枠組みでしかないので、あくまでも考え方の中身はしっかり考えて構成することが大事だ。

 

 ここまでは使い方を中心にみてきたが、次回はフレームワークを実際に作る方法論を考察してみたい。