「卒論の続き」

一生青春。 架空的計画(visionary scheme)の目標は世界の法則(The Law of the World)を見つけること。

ホップ、ステップ、わかるとできる

「わかる」を「できる」に変えたい

  いつも「わかる」という知っていたい欲求は強いが、その一方でその知識が「できる」ようになっていたらもっと嬉しい。

 

 その欲求にこたえるかのように「なぜ、ノウハウ本を実行できないのか 『わかる』を『できる』に変える本」という魅力的なタイトルをブックオフで見つけた。原書のタイトルはKnow Can Do知っている、できる)」"KNOW CAN DO! Put Your Know-How into Action"

 

 

 

「なぜ、ノウハウ本を実行できないのか 『わかる』を『できる』に変える本」

(ケン・ブランチャード、ポール・J・メイヤー、ディック・ルー著/ダイヤモンド社

 

 

 著者はケン・ブランチャード氏。「1分間マネジャー」等のビジネス書、自己啓発書の著書として有名だ。ビジョンや時間管理、リーダーシップやモチベーションに関する著書があり、その著作を読まれた方も多いと思う。

 

 

「わかる」を「できる」に変えるためには?

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 人材開発では「知っている」レベル、「できる」レベル、「教えられる」レベルという段階があり、それぞれで知識や実践レベルの奥域が異なると何かの本で見た。たしかに、知っていてもできない、できるが教えられないということは自分の経験上もよくある。この本では、まず「知っている」を「できる」に変えるための、特に「個人の単なる学び」から「使えるスキル」にするための方法について取り上げられている。

 

 本書では「わかる」から「できる」にならないのは、「知識と行動のギャップ」に原因があるという。そして、行動を変化できない理由は以下の3つであると述べている。 

  • 情報過多
  • ネガティブなフィルター装置
  • フォローアップの欠如

 

 本書の内容とそこから考える「わかる」を「できる」にするそれぞれの対策について私的経験から考察してみたい。

 

 

 

「情報過多」からの脱出

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 現代特有の情報過多な状況は、「できる」ようになるための障壁となる。多くの情報に手をつけ、何も身に付かないようなほど情報に溺れるよりは、Vital Few(重要な少数)に絞り、一つでも「具体的に使いこなせること」を学ぶ方が合理的で習得も早い。このやり方はよく大学受験や資格試験の受験対策における参考書選びのHow toとしても取り上げられている。

 

対策:

大量の情報を一、二度学ぶより、優れた少数の知識を繰り返し学び、それを「できるレベル」にまで高める

 

 

 

「ネガティブなフィルター装置」を壊す

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 自己実現やスキル獲得を阻む最大の敵はいつも自分自身。自分自身のできないかも、あの人と私は違いすぎるという、自分自身が築き上げた「思い込み」が自分自身の「できる」を阻害する大きな壁となる。考え方を変えることができるのは究極自分自信のみ。他者の意見を謙虚に積極的に傾聴し、受け入れるだけでなく、プラスの意味を見出して自らの思い込みをポジティブなものに変えるという努力をする。

 

対策:

常に開かれた心で、ポジティブに新しい可能性を探す(心にバイアスを設けず聴き、自らがやっていることを信じる)

 

 

「フォローアップの欠如」を回避する

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 情報を絞り、前向きな気持ちで「知っている」から「できる」にするためのアクションを行っても、適切なスキルを身につけるにはまだ十分ではない。行動を変え、望むような結果を得

るには、仕組みとサポートと説明責任が必要である。指導者側には「教える > やって見せる > それをやらせる > 見守る > 上達を褒める > Repeat...」のサイクルが必要だとしている。

 

 このフォローアップ論には、山本五十六元帥の有名な言葉、

  • 「やってみせ 言って聞かせて させてみて ほめてやらねば 人は動かじ」
  • 「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず」
  • 「やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず」

 

といったリーダーシップ、指導者の心得と通ずるものがある。

 

対策:

率先躬行の精神で自らが振る舞い、他人への説明を通じ言語化し、スキルを内在化させる

 

 

 というわけで、

 

「なぜ、ノウハウ本を実行できないのか 『わかる』を『できる』に変える本」

(ケン・ブランチャード、ポール・J・メイヤー、ディック・ルー著/ダイヤモンド社

 

 

でした。