ホップ、ステップ、わかるとできる
「わかる」を「できる」に変えたい
いつも「わかる」という知っていたい欲求は強いが、その一方でその知識が「できる」ようになっていたらもっと嬉しい。
その欲求にこたえるかのように「なぜ、ノウハウ本を実行できないのか 『わかる』を『できる』に変える本」という魅力的なタイトルをブックオフで見つけた。原書のタイトルは「Know Can Do(知っている、できる)」"KNOW CAN DO! Put Your Know-How into Action"
「なぜ、ノウハウ本を実行できないのか 『わかる』を『できる』に変える本」
(ケン・ブランチャード、ポール・J・メイヤー、ディック・ルー著/ダイヤモンド社)
著者はケン・ブランチャード氏。「1分間マネジャー」等のビジネス書、自己啓発書の著書として有名だ。ビジョンや時間管理、リーダーシップやモチベーションに関する著書があり、その著作を読まれた方も多いと思う。
「わかる」を「できる」に変えるためには?
人材開発では「知っている」レベル、「できる」レベル、「教えられる」レベルという段階があり、それぞれで知識や実践レベルの奥域が異なると何かの本で見た。たしかに、知っていてもできない、できるが教えられないということは自分の経験上もよくある。この本では、まず「知っている」を「できる」に変えるための、特に「個人の単なる学び」から「使えるスキル」にするための方法について取り上げられている。
本書では「わかる」から「できる」にならないのは、「知識と行動のギャップ」に原因があるという。そして、行動を変化できない理由は以下の3つであると述べている。
- 情報過多
- ネガティブなフィルター装置
- フォローアップの欠如
本書の内容とそこから考える「わかる」を「できる」にするそれぞれの対策について私的経験から考察してみたい。
「情報過多」からの脱出
現代特有の情報過多な状況は、「できる」ようになるための障壁となる。多くの情報に手をつけ、何も身に付かないようなほど情報に溺れるよりは、Vital Few(重要な少数)に絞り、一つでも「具体的に使いこなせること」を学ぶ方が合理的で習得も早い。このやり方はよく大学受験や資格試験の受験対策における参考書選びのHow toとしても取り上げられている。
対策:
大量の情報を一、二度学ぶより、優れた少数の知識を繰り返し学び、それを「できるレベル」にまで高める
「ネガティブなフィルター装置」を壊す
自己実現やスキル獲得を阻む最大の敵はいつも自分自身。自分自身のできないかも、あの人と私は違いすぎるという、自分自身が築き上げた「思い込み」が自分自身の「できる」を阻害する大きな壁となる。考え方を変えることができるのは究極自分自信のみ。他者の意見を謙虚に積極的に傾聴し、受け入れるだけでなく、プラスの意味を見出して自らの思い込みをポジティブなものに変えるという努力をする。
対策:
常に開かれた心で、ポジティブに新しい可能性を探す(心にバイアスを設けず聴き、自らがやっていることを信じる)
「フォローアップの欠如」を回避する
情報を絞り、前向きな気持ちで「知っている」から「できる」にするためのアクションを行っても、適切なスキルを身につけるにはまだ十分ではない。行動を変え、望むような結果を得
るには、仕組みとサポートと説明責任が必要である。指導者側には「教える > やって見せる > それをやらせる > 見守る > 上達を褒める > Repeat...」のサイクルが必要だとしている。
このフォローアップ論には、山本五十六元帥の有名な言葉、
- 「やってみせ 言って聞かせて させてみて ほめてやらねば 人は動かじ」
- 「話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず」
- 「やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず」
といったリーダーシップ、指導者の心得と通ずるものがある。
対策:
率先躬行の精神で自らが振る舞い、他人への説明を通じ言語化し、スキルを内在化させる
というわけで、
「なぜ、ノウハウ本を実行できないのか 『わかる』を『できる』に変える本」
(ケン・ブランチャード、ポール・J・メイヤー、ディック・ルー著/ダイヤモンド社)
でした。
学びの学びその4(20時間、最終回)
今回で超速スキル獲得術のエントリは最終回。
最後は効果的学習のための10の基本ルールについて取り上げる。
効果的学習のための10の基本ルール
- スキルとそれに関連したトピックについて調べる
- わからなくともやってみる
- 心的モデルと心的フックを知る
- 望んでいることの「逆」を想像する
- 実際にやっている人の話を聞いて予想を立てる
- 環境から気の散る要素を取り除く
- 覚えるために感覚を開けて反復と強化をする
- チェックリストとルーティーンを設ける
- 予測を立て、検証する
- 自分の生物学的欲求を大切にする
以下、各ルールについて少し詳しく見ていく。
1. スキルとそれに関連したトピックについて調べる
スキルについて広範な知識を手っ取り早く集め、スキル獲得のプロセスがどのようなものになるか全体像をつかむ。複数の資料に共通してでてくる技術やトピックスがあれば、それは知っておいたほうが良いサイン。
2. わからなくともやってみる
「混乱を認識していること自体が、理解の一形態である」
混乱を認めるのは、具体的に「何に」混乱しているのかはっきりさせることにつながり、それを解決させるために自分が次に調べるべきこと、するべきことを理解することにつながる。練習すればわかるようになると自ら言い聞かせることで、混乱から理解へと最速で進むことができる
3. 心的モデルと心的フックを知る
リサーチをしていると、繰り返し登場する概念や技術、いわゆる「パターン」に自然と気づく。そういった概念は心的モデルと呼ばれる。心的モデルは最も基本的な学習単位である。世界に存在するもの、あるいは関係性を理解し、分類する手段である。正確な心的モデルを集めるほど、特定の行動したとき次に何が起きるかを予測しやすくなる。
また、既に知っていることと同じをのことにも気付くだろう。これが心的フックで、新しい概念を覚えるのに役立つ類似性や比喩である。初期のリサーチで心的モデルや心的(たくさんみつけておけば、練習の間に利用しやすくなる。
4. 望んでいることの「逆」を想像する
望んでいることの逆を調べることで、一見気づかない重要な要素を特定できる。これは「反転」とばれる問題解決テクニックでたいていのことについて本質的要素を理解するのに役立つ。なにもかも失敗してしまったら、何が起きるか。漠然とした目的に変わり、練習するすべきサブスキルの具体的なリストや必要な行動がはっきりする。
5. 実際にやっている人の話を聞いて予想を立てる
最初にリサーチをするのは、初心者に探しパフォーマンスとはどのようなものか、という適切な期待を抱くのに役立つ。目標とするスキルをすでに身に付けている人に話を聞くと、時間とエネルギーを投資する前に幻想や誤解を解消するのに役立つだろう。
6. 環境から気の散る要素を取り除く
超速スキル獲得の最大の敵は、気が散ること。練習始める前に少し時間を取り、気持ちその要素をできるだけたくさん予想し、取り除いておくことでそうした事態を防ぐことができる。気が散る原因は主に2つ。電子的なもの(TV、ネット、電話等)と生物学的なもの(家族、同僚、ペット等)だ。練習中に気の散る要因が少ないほど、スキル習得早くなる。
7. 覚えるために感覚を開けて反復と強化をする
記憶力は完璧では無い。復習することでその概念の記憶が強化され、脳がそれを長期記憶に組み込む助けとなる。間隔をおいて反復許可をするのは、重要な概念や情報を定期的かつ体系的に学習するのに役立つ記憶法である。
8. チェックリストとルーティーンを設ける
天使のためにしなければならないことを確認するにはチェックリストが便利である。プロセスを体系化し、モットモ重要なことに注意を集中できるようにする。ルーティンは、スキルの練習に毎回同じ方法で取り組めるようにする構造である。チェックリストやルーティンを作ることで効率よく練習出来るようになる。
9. 予測を立て、検証する
予測を立て検証する習慣をつけると、スキル習得が早くなる。
これは4つの要素からなる科学的方法を応用したものである。
観察 今何を観察しているのか
既知の事実 トピックについて既に知っていることは何か
仮説 パフォーマンスの向上には何が必要か
試行 次は何を試すのか
10. 自分の生物学的欲求を大切にする
最適な学習サイクルが約90分、意識を集中して取り組むこと。それぞれ長くなると頭も体も自然と休憩を求めるようになる。
超速スキルマスターに向けて
これらの基本ルールは前回のリストに加えてチェックリストとして役立つ。何か新しいスキルを学ぶと思ったら、必ずチェックリストに照らして、どのルールがそのプロジェクトに有効かを判断する。
超速スキル獲得の最大の壁は、身体的あるいは知的要員ではなく感情的のもの。何か新しいことを始めると、最初は必ず不安を感じる。練習時間を確保し、最初に少し下調べをし、初期のイライラを厭わなければ、最初の中から20時間の練習で大きな進歩遂げられるはずだ成果を手に入れるのに必要なのはほんの少しの努力、粘り強さ、根性である。
いつ練習するか、という問いへの答えは今日しかない。
さあ何か新しいスキル獲得を始めてみたくなったでしょうか。。。
学びを学ぶその3(20時間の続き)
20時間第3回目。
今日は超高速スキル獲得法 10のルールについて。
超高速スキル獲得法10のルール
新しいスキルを身につけようと決めたときに役立つ10のルールがある。このルールは、「一時的に何かに夢中になる」という状況をつくりだすのに役立つ。興味関心こそ、スキル獲得の原動力になるものだし、自らのうちにその動機がないものはいずれ枯れてしまう。そういう意味でも「自分が何のために、何を、どのくらい」という自問自答が大切なのではないかと考えてしまう。。。
超高速スキル獲得法10のルール
それでは「超高速スキル獲得法10のルール」を一つ一つ見ていこう。
1. 魅力的なプロジェクトを選ぶ
スキルに夢中になる程、習得のスピードは早まる。関心のあることは、関心のないことよりも早く学べる
2. 一時に一つのスキルにエネルギーを集中する
新しいスキルを身につけるには、まとまった量の時間と関心を集中的に注ぎ込むことが必要。習得するスキルはひとつだけに絞ること。
3. 目標とするパフォーマンスレベルを明確にする
「目標とするパフォーマンスレベルを明確にする」とは、自分が手に入れたいを望んでいる水準はどのようなものかを一文で説明するということ。問題をきちんと言葉にできれば、半分解けたようなもの。
4. スキルをサブスキルに分解する
スキルを十分小さく分解すれば、最も重要と思われるサブスキルを特定するのもずっと楽になる。最も劇的な効果が期待できるサブスキルに集中すること。
5. 重要なツールを手に入れる
練習を始める前に、重要なツールを確認しておくことは時間の節約につながる。始める前にリソースを確保し、練習時間を最大限活かすこと。
6. 練習の障害を取り除く
1日に行使できる意志の力には限りがある。練習の妨げになるソフトバリア(ツールがが準備できていない、リソースをたまにしか使えない、気が散るような環境、感情的な障害等)を除去することに意志の力を使って環境を整える。
7. 練習時間を確保する
時間を確保したいと思えばつくるしかない。1日あたり90分の練習時間を確保し、始めたら20時間に達するまで何があっても続けること。スキル獲得のプロセスは初期段階が最も辛く感じるのでまずは続けることを決めることが大事になる。
8. すぐにフィードバックが返ってくる仕組みを作る
「すぐにフィードバックが返ってくる仕組みを作る」というのはどれほどうまくできているのかという情報が、なるべく速やかに返ってくるようにすること。すぐにフィードバックが返ってくると、自然とスキル獲得が加速する。
9. 時計のそばで一気に練習する
連続して練習した時間が長いほど、スキル習得は早くなる。1日に3〜5回練習時間を確保すれば、かなり短時間で大きな進歩を遂げることができるだろう。
10. 量と速さを重視する
「これで十分」というフォームを維持しながら、できるだけ早く、できるだけたくさん練習することに集中する。早く、たくさん練習するほど、スキル獲得のスピードは高まる。
本当にうまくいくのか
これらの方法で本当にうまくいくのかという疑問に対しては、研究の成果で証明されていると本書では語られている。専門用語で「練習のべき法則」というらしい。
大切なことは、練習について考えたり、思い悩んだりするのではなく、実際に練習する。とにかく早く練習を始めるために10の基本ルールは重要な活動にフォーカスさせるための方法論を示すものだ。
今回はここまで。次回はいよいよ最終回。効果的学習のための10のルールをチェックリストとしてまとめてみる。
学びを学ぶその2(20時間の続き)
前回の投稿からかなり時間が空いてしまったが、書かないと次にいけないような気がするので続きを書き上げることにしたい。
「どれだけ時間を費やすかでなくその時間で何をするか」
本書で取り上げられている超速スキル獲得法では、「必要十分」という考え方に重要性を置く。学習曲線のもっとも大きなところにレバレッジを掛けて新たなスキルを獲得するという発想がもとになっている。プロレベルに達するには、平均1万時間の本気練習が必要という「1万時間の法則」を逆手に取った戦略だ。
経験則上も、一つの専門に深く、精通した上での強さもあれば、単純なコトをたくさんつなぎ合わせて生み出す成果もある。ひとつの例えとして、UNIXというシステムが一つのコト(スキル)をほどほどうまくやり、つなぎ合わせて大きな仕事(プロセス)をこなすというアプローチに考え方は近いかもしれない。
複雑なことを複雑にやるのではなく、小さいプログラムに一つのシンプルなことをうまくやることを徹底させて、その組み合わせで何かをうまくやるという考え方は普遍的考え方といってもよいのではないだろうか。本論とはそれるが、物事の考え方を学ぶ名著として「UNIXという考え方」という名著を取り上げておきたい。
「UNIXという考え方」
ITな人、コンサルタントな人には是非お勧めしたい書籍。コンサル会社の技術マネジャーのお勧めで10年以上前に初めて読んだが、いまだその考え方は有効だと思う。
超速スキル獲得法とは何か?
「習得したいスキルをできるだけ小さなパーツに分解し、そのうち特に重要なモノを見極め、まずそれを意識的に練習する」というプロセスのこと。
超高速スキル獲得法は大きく「分解」「学習」「除去」「練習」4つのステップに分かれる。
分解
スキルはできるだけ小さなサブスキルに分解する
学習
賢く練習できるように、また練習中に自己修正ができるように個々のサブスキルについて十分な知識を得る
除去
練習の邪魔になる、物理的、精神的、感情的障害を取り除く
練習
特に重要なサブスキルを20時間練習する
要は、大きなタスクを重要なサブスキルという学習タスクに分解し、雑念を排除し、一つ一つを集中して学習するということか。プロジェクトマネジメントの計画にも通じる感じがする。
しなやかに学ぶ
スキル獲得にあたり重要なことは、「それが自分にもできる」と信じること。これは多くの自己啓発本でも語り尽くされていることだが、できると思うことがすべての始まり。「できる」と自分で信じられないなら、それができることは一生ないだろう。
周りを見渡しても、学歴の有無に関係なく、今うまくいっている人、成功している人は、例外なく自分のことを自分で信じている。私はできる、やればできると。うまくいっている方々は少なからず「自分はできる」という確信を持っている。これほど単純だが、実は習得することが難しい「自分はできる」と信じきるスキルこそ強力なものはない。
「学ぶ」ということにおいてもこれは同じことだと思う。「できる」と信じている人はできるようになるし、「無理かも」と考えている段階の人にはやはり無理なのだ。スキルや才能は生まれつきのものではない。努力によってそれは伸びていくものとこの本でも語られているし、大抵のことは学習で身につけることができると自己啓発関連の本では常識のように書かれている。。
粘り強く練習することで、時間をかければ必ずできる。その時に大事なのが「うまくいく方法に集中して努力する」こと。うまくいかないやり方は捨ててしまうこと。このスキル獲得のモデルは、最終的には以下の3段階のモデルに集約できるらしい。
スキル獲得の3段階モデル
1. 認知(初期)段階
自分がしようとしているスキルを分解し、調査し、そのプロセスについて考え、対処できる程度のパーツに分解する。
2. 連合(中期)段階
スキルを練習し、環境からのフィードバックを受け取り、それに基づいて方法を修正する。
3. 自律(後期)段階
アタマで考えず、また必要以上に注意を払わずに、スキルを効果的かつ効率的に実践する。
練習すればするほど、スキルは効率的、効果的、無意識的になる。習慣化するまでやり続ける。ここまでいくのが難儀だが、できてしまった時の効果ははかりしれないだろう。
今回はここまで。
学びを学ぶ
半年ぶりのブログ更新。
今回のテーマは1+n回となりそう。。。
「学びを学ぶ」
前年度が4月末に終わった。連休に山に登りながら自分なりに振り返ったが、なかなか密度の濃い1年であった。数々のチャレンジも含め、個人の振り返りとして、今後の数年を考えた中で確実に成長したと感じられる1年であった。
成長過程の企業らしく、内外環境の変化の速さ、それに伴う意思決定の速さ、決定事項の対応スピード、求める成果のレベルはかなりジェットコースター状態。
そういう新しい変化が連続する環境の中で、これまで以上に自分自身が成長していくためのやり方が必要だと感じた1年でもあった。そして、自分自身の成長だけでなく、自分の立ち位置から見て総合的に大事だと考えたのが「新しいスキルを早期に獲得する力」だ。
「伝え、説明することで理解する」
「デキ」はともかく、もともと私は自分自身のスキルアップに関して趣味的レベルの探究心がある(と、近年本棚を眺めながら感じるようになった。)。
今までできなかったことができるようになると思考や行動の時間の短縮、仕事の品質の向上につながり、これまでと異なるレベルを味わうことができることに喜びを感じるタイプだ。
同じように、所属組織や仲間に対しても、自分が学んだことを積極的に伝えたい気持ちが強い。議論して、自分自身の理解を深め、スキルの精度を高め、定着化させたいという意図で、周りの誰かと、主に対面でシェアしている。
人に教えることが最も理解を深めることだとコンサルティング会社時代の上司に教わったことも影響していると思う。「教える人が、(教えることを通じて)最も学ぶ」のであると。
「たいていのことは20時間で習得できる」
そんな中、関心を引いたのがこの本。
本の帯には、
「忙しい人のための超速スキル獲得術」
「あらゆる技能の習得に応用できる」
「初心者が上手にこなせるようになるまでの最短の道を手ほどき」
「本書は新しいスキルをできるだけ速く習得するための、体系的な方法を紹介する。この方法はどんなものにも通用する。・・・」
と魅力的な文句がちりばめられている。
この著者についてはTEDトークにも出演しているのでご存知の方も多いと思う。
自宅の蔵書スペースと財布事情、のちのちの必要性検討の手間を削減するという観点で、たいていの新刊本は1度か2度、本屋の棚で通読し、数日しても興味が高ければ買うようにしている。最近はその本のエッセンスだけであればどなたかのブログを確認すれば終わるような本も多い。
本書については上記のTEDに代表されるように、多々情報はネット上にあるのだが、どうしても手元においておきたい、いや置いておくべきだろうと思って1か月の思案ののちに購入した。
せっかく買った新刊本なので自分の引き出しとして整理しておきたいという衝動に駆られ久々にブログに書き込んでみることに。中身・ポイントのみ書こうと思ったが、導入で今日は終わってしまった。。。
… To Be Continued
2014年のおわりに・・・「念」という考え方
今年は人生の大きな転換期となった1年だった。
また今年は今まで以上に新しいことをいろいろ吸収した1年でもあった。
今年学んだ中で一番大きな気づきは、「 念」という考え方。
今の心と書いて「念」。英語では「 mindfulness」である。
仏教の概念であるが、原始仏教まで遡っていくともはやそれは宗教ではなく科学だということに気づくだろう。
マインドフルネスはここ数年アメリカのハイテク企業を中心に企業研修にも取り入れられている概念だ。11月には日経主催のセミナーも実施され、有償かつ定員500名のキャパが満員御礼という盛況ぶりである。禅とならび、AppleやGoogle、Intelなどで取り入れられ、ビジネス上の成果を上げているそうだ。
マインドフルネスを実現するための技術のひとつであるヴィパッサナー瞑想は、ブッダが悟りを開いたときに最終的に拠り所とした瞑想法と言われている。
瞑想のやり方はいたって簡単。一瞬一瞬の行動、知覚、思考、心の流れに気づいて確認するのみ。自分の生み出す思考を見張り、感情を感じ、反応を観察する。
「観る」ことで余計な思考や妄想が止まり、現在の瞬間に集中するだけでこの世の苦を克服する技術だ。現実の事象をひとつ、ひとつ観察する。気づきと観察が理解を生み出す。
われわれの人生の多く、思考活動の大半は過去や未来という心理的時間に縛られている。心が変われば生き方が変わり、生き方が変われば人との出会いも人生も変わって苦しみから解放されていく。
ずっと前から気づいていたが、自由になれるのは「今」という瞬間しかない。
そしてだれもが今という瞬間以外見たこともないはずだ。
今この瞬間にあること。心理的に待つのはもうやめだ。待っている間に時はすぎてしまう。
今この瞬間にあり、本当の自分を生き抜くこと。人生は短い。
来年は「今ココにあること」に焦点をさらに絞り、より充実した1年にしたいと思う。
さようなら2014年。
ようこそ、2015年。
自在力 わが家でもやってみた
「自在力」との出会い
この本は前職のメンバー ゼウスくん(仮)に教えてもらった。(名著のご紹介ありがとうございます!)ゼウスくん(仮)は親からこの本を紹介されたらしい。早速Amazonで購入してみた。
本の帯には、
「渡部昇一氏も感嘆! 塩谷先生は、96歳にして年々若くなっているらしい。本書は、人生の積極的かつ自由闊達に生きる秘宝を示した書である」とのコピーがある。出版社の売り込みとわかっていながら渡部昇一氏の本、思想については学生時代からずっと触れてきたのでこのコピーから、「自在力」の内容についての期待が上がる。
「自在力」塩谷信男 サンマーク出版
目次
プロローグ 九十を過ぎて天命を知る
第1章 人生万事うまくいく妙法がある
第2章 宇宙無限力を人生に活かす
第3章 呼吸法で全身細胞がよみがえる
第4章 見えざる世界の実在を知る
第5章 大動乱の時代をどう生きぬくか
付章 正心調息法と大断言
この本のテーマは正心調息方と大断言という方法論。正心調息法は正心と調息のふたつの面からなっている。「正心」は心の正しい使い方のこと、調息は、特殊な腹式呼吸のやり方。これに「大断言」と呼ばれる塩谷先生の独自思想が加わる。大断言とは、博士が守護霊の方から教えていただいた、平和を祈念するパワー溢れる言霊らしい。
※ 塩谷博士の正心調息法や大断言については、「正心調息法」でググるといろいろ出てきます。
わかりやすい「正心」
調息法、大断言は本書にゆだねるとして、私が気になったのは「正心」という考え方。とてもシンプルでわかりやすい3つのメッセージだが、生きにくい世の中をより積極的かつ気持ち良く生きていくのにとても分かりやすい概念なので是非ご紹介したい。
正心は「前向き、感謝、愚痴らない」の3つの考え方でできている。自分の解釈と本文からのサマリーで解説したい。
物事を全て前向きに考える
自分の理解:「常にポジティブな選択を行う、反省するが後悔しない」
普段から心を積極的、前向きに保つ。二者択一の場合は積極性のある方を選択する。失敗に終わっても、けっして悔いず、次への教訓を見つけるよう努める。
"自分に与えられた条件、目の前にひらけた状況に対して常に肯定的、積極的なとらえ方をする。物事には必ず二面性があって、例えば病気をしたことで人のやさしさに気づいたり、他人の親切のありがたさが本当に理解できたりするプラス面もある。どんなマイナス状況や経験でも、自分にとってよいほうへ展開するのだと肯定的に考えることが大切。どちらを選ぼうかと二者択一に迫られた場合は、かならず積極策を選択すること。それによって行動も積極的になり、成功する確率は高くなる。たとえ失敗したときでも、そこから教訓を得るなど将来への種子を獲得することができる。「反省しても後悔はしない」姿勢が大切。"
感謝の心を忘れない
自分の理解:「すべてにポジティブな面を見つけ、受け容れ、感謝する」
周囲のことにすべて感謝する心をもつ。この心がけをもっていると、身の回りには感謝するべきことがたくさんあることに気づく。はじめはさほどに思わないことでも、感謝の癖がつくと「ああ、ありがたいな」と心から感謝できるようになる。
"心というのは波動であり、こちらが発している波長に見合った出来事が人間には起こる。よい波長を出している人にはよいことが起こるのです。したがって、いつも感謝の念を心にもっていると、感謝せざるをえないことが次々と生起する。わたしたちはけっして自分の力だけで生きているのではない。家族や周囲の人の助けや好意、自然からの恩恵、そして目には見えない宇宙の無限力の営みと叡知――それらによってわたしたちは「生かされている」。したがって、私たちの生が維持されていること自体に感謝する必要がある。"
愚痴をこぼさない
自分の理解:「自ら発するマイナスに注意し、引き寄せない、増幅させない」
世の中には、自分にとってムダなことはない。損になることでも、害になることでも、苦しまされることでも、じっくり見つめて考えると、そこからはかならず得られるもの、学ぶべきこと、ためになること、参考になることがある。人生にむだはない。
"愚痴をこぼせば、そこにまつわる否定的な感情や負性の心のありようが波動となって発せられ、結局、次も愚痴をこぼしたくなるような事態を招いてしまうことになる。ああ困った、いやだなあ、できっこない、ムダだ、苦しい、面倒くさい‥‥こういう感情が困ったことやいやなこと、苦しいこと、面倒くさいことを呼び寄せる。悲しいから涙を流す。わたしたちは簡単にそう思いこんでいますが、これは実は逆の面が強い。つまり、悲しいから泣くのでなく、泣くから悲しくなる。人から腹の立つことをいわれたときに、黙って受け流せばなんということもないのに、ひと言「なにを!」と買い言葉を発してしまうと、怒りの火に油を注ぐ結果になる。愚痴を避ける、愚痴を抑える心がけを日常の中で行なうことが肝心。"
さっそくわが家でもやってみた。
自在力や、正心調息法、大断言でググるとスピリチュアル系の独自運営サイトやブログで取り上げられているものを多く見つける。少し興味深かったのが親が子にこの本を進めているスレッドを幾つか見つけたこと。
というわけでさっそくわが家でもやってみた。
愚痴をこぼさないというのが少し子供には難しいので「文句を言わない」に変えてみた。とにかく「前向き」、「感謝する」、「文句を言わない」という3つを徹底するのはわかりやすい。
自分でも「前向き」、「感謝」、「文句に注意」を徹底していきたいと思った「自在力」でした!
ゼウスくん(仮)ありがとう!(合掌)